土倉製材所の
ログハウス
LOG HOUSE
ログハウスの耐震性
「ログハウスって地震に強いの?」と、よく質問されることがあります。ログハウスはログ材(太い丸太や材木)を横に一本ずつ積み上げてつくりますが、その1本1本をダボでしっかりとつなぎ合わせた一体型の壁構造になっています。
また、ログ壁の交差部分はノッチという木組みでしっかりと木が組まれています。中規模程度の地震であれば、ノッチの木組みと、積まれたログ材とログ材の摩擦だけでも柔軟に地震の力を吸収してくれます。
実験によると、震度5強程度まではダボが無くても耐えられるそうです。大きな地震に対してはノッチの木組み、ログ材同士の摩擦、そこにダボの耐力が加わり大きな揺れに対しても耐えることが出来ます。
ログハウスのログ材の摩擦とダボの組み合わせによる地震に対しての構造は、耐えると言うより、吸収する免震的な構造になっていると言った方が良いかもしれません。ご存知の方も多いかもしれませんが、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災などにおいても、ログハウスの躯体の損傷はほとんどありませんでした。
阪神淡路大震災の1.5倍の地震波による実物大の振動実験でも損傷はほとんど無く、耐震性の優れた建物であることが証明されています。
土倉製材所のログハウスは品確法による耐震等級3も取得可能です。
ログハウスの耐火性
木は燃えやすいと思われている方も多いかと思います。その事からログハウスって耐火性が低いんじゃないかと思われている方も多いと思います。
確かに木はコンクリートや鉄などと違い燃えてしまいます。ただ、燃えやすいかと言われるとそうでは無いと言えます。
実際に火災現場を見てみると、断面積の大きな柱や梁など、木材が倒壊せずに残って立っている事も多いです。木は燃えると表面に炭素の層が出来るのですが、これにより酸素の供給が遮断され、木の内部までは燃え辛くなるからです。バーベキューで炭になかなか火がつかないのと同じ感じです。
柱や梁のように、ある程度断面積の大きな木材は、表面が燃えて炭化しても内部まではなかなか燃え進まないので、そのまま立っていることが多いのです。逆に、鉄の場合は、熱で急激に軟化してしまいますので、建物の構造を支えることが出来なくなってしまいます。
木の燃えるスピードは10分でおよそ10mm程度で、このスピードを維持するのには常に火にさらされている必要が
あります。太い木材を使用した建物は燃えづらく、倒壊しにくいと言えます。 ログハウスは太いログ材を積み重ねていく構造で、柱や梁のように何方向からも火にさらされることはほとんどないので、より燃えにくくなります。
そして建物の耐火性は、燃えない性能も大事ですが、それよりも大事なことは、万が一火災に遭ってしまったときに、
安全に逃げられるかということです。ログハウスは大きな木材が表面を炭化させ、火のまわりを留まらせるので、
逃げる時間や消火の時間に余裕を持たせることができます。
また、ログハウスは新建材を余り使わないので、燃えても有毒ガスの発生が少ないのも安心出来る点の一つです。
土倉製材所では、適切な設計と素材の選択によって、22条地域や準防火地域でのログハウス建築にも対応可能です。
ログハウスの断熱性
「ログハウスって、木だけなのに、本当に暖かいの?」
こちらに関して、気になる方も多いかと思います。
正直にお答えします・・・・・・・・・・
適切な工事をしていればすごく暖かいんです!金属や、コンクリートを触った時って、ヒンヤリと冷たい感じがしますよね?
逆に木に触った時はどうでしょうか?暖かく感じるかと思います。ではなぜ、そう感じるのでしょうか?
その答えは熱伝導率にあります。
熱伝導率は「 w / (m•k) 」という単位で表します。熱伝導率が 53 w / (m•k) と高い金属は、触った瞬間、手の熱が伝わりやすい
(奪われてしまう)ので冷たく感じます。一方、木の熱伝導率は、樹種によっても違いが出ますが、杉などは0.12です。コンクリートが1.6ですので、熱が伝わり辛い素材である事が言えますね。
この数値は、主に素材内部の空気の量によって、違いが出てきます。数値が低いほど、断熱性に優れた材料と言えます。木は内部にチューブ上の細胞が無数にあり、そこに沢山の空気を蓄えることが出来るんです。それによって湿気も放出してくれる凄い素材なんです。
では、建築材で言う断熱材と比べるとどうでしょうか? 充填断熱の家でよく使われるグラスウールの熱伝導率は0.045、
外張り断熱の家でよく使われるポリスチレンフォーム保温板(ボード状の発泡スチロールみたいなもの)は0.038、木は0.12です。
あれ?断熱材の方が数値が低いって事は、木よりもぜんぜん良いんじゃない?
そうなんです。断熱性能と言う数値だけで見ると、木は建材の断熱材の3分の1程度の断熱性能になります。
じゃあ、ログハウスって寒いんじゃないの?って思われますよね。しかし、違うんです。確かに木は、断熱材の3分の1程度の断熱性能ですが、逆に言えば天然の素材で3分の1も数値が出る優れた素材なんです。
ちょっと建物に置き換えて考えてみましょう。 たとえば外張り断熱の家は柱の外側に断熱材を全面に張るのですが、一般的な地域で省エネ等級4を取得出来る厚みは、50mmになります。木は断熱性能が3分の1ですから、逆に3倍の厚みにすれば同じ性能数値が出ます。そう、ログ壁の厚みを3倍の150mmにすれば良いのです。
ただ角材を積み上げるマシンカットログでは、流通の関係から、弊社でも標準仕様は国産材が120mm、レッドシダーが135mmの厚みです。断熱材に直すと国産材が40mm、レッドシダーが45mmになります。ちょっと少なくなりましたね。
住宅の断熱性能は、壁や天井、床などの部分ごとではなく、建物全体で出します。建物が外の空気に触れる部分、外壁や1階の床、屋根(天井)、窓などのすべての面積(外皮面積)に対して、どの位の数値があるかで出します。先ほどの外張り断熱とログ壁の比較は、外皮の一部、壁の部分だけの話です。多くのログハウスは、1階の外壁がログ壁で、2階の外壁は木造在来工法やツーバイフォーの住宅と同じような作りをしています。
1階の外壁の断熱性能が少し足りないのであれば、その他の部分、2階の外壁、床や屋根(天井)、窓で補ってあげれば、数値で見た断熱性能も良くなります。 適切な設計と工事をしていれば、ログハウスは他の住宅と比べても十分に暖かい建物になります。
そこに数値では現れない木の持つ給放湿性、見た目の暖かさやぬくもり、天然素材だけが持つ経年変化による味わいが加わりますので、快適な室内空間を作り出すことが出来ます。
ログハウスの耐久性
「木で出来ているログハウスって耐久性が良くないんじゃないの?」「雨ざらしになってすぐに腐ってしまうのでは?」と思われている方もいらっしゃるかと思います。木の耐久性、実際にはどうなのでしょうか?
まず、なぜ木は腐るのでしょうか? それは木材腐朽菌が発生するからです。木材腐朽菌は、木の成分を栄養として活動し、分解します。これによって木が腐っていきます。
ただ、ここからが大事なのですが、木材腐朽菌が活動して木を腐らせるには条件があります。水分・空気・適度な温度、この3つの条件のうち1つでも揃わないと木材腐朽菌は活動できません。ということは、木は腐らないのです。3つの条件のうち、空気と温度は屋外にあるログ壁はどうすることも出来ませんが、水分は工夫次第で管理することができます。この工夫次第で、木は100年も1000年も持たせることが出来ます。
絶対に雨などで濡れたら駄目だと、よく勘違いされる方もいらっしゃいますが、木材腐朽菌は、ちょっと雨が降ったり、濡れたりしても、すぐには発生しません。ずっと湿潤状態が続くと発生します。濡れてしまってもちゃんと乾けば何の問題もありません。建築中に雨に当たる程度は余り問題ありません。「乾く工夫」がポイントになりますね。
では、ログ壁を腐らせない為にはどうしたらよいのでしょうか? 木は樹種によって腐りやすい木と腐り辛い木があります。
まず、ログ壁には腐り辛い樹種を選定することが大事です。そして屋外のログ壁には、しっかりと保護塗料を塗ります。
木は水分を給放出しますので、放出を妨げない塗料が良いですね。塗料の中には木材腐朽菌の発生を抑えてくれる成分や、防虫効果のある成分、水を撥水する成分が入っています。これによって木材そのものを保護します。
次に、しっかり屋根の下に配置することです。日本は欧米と違い湿気が多い気候です。ちょっとやそっと濡れても問題ありませんが、湿気の多い時期でもしっかりと乾くように、土倉製材所では屋根の軒を出来るだけ多く取り、極力ログ材を濡らさない様にしています。
神社仏閣などはものすごく大きな屋根になっていますよね。これも木を腐らせないための日本古来の工夫ですね。 建てる地域の特性に合った設計にし、しっかりとメンテナンスすることで、ログハウスは100年、200年、それ以上の耐久性を持たせる事が出来ます。
建物に使う木材は、石油の様に何千年だか何億年かけて出来た物とは違い、国産材だと樹齢60から80年、レッドシダーでも200年から300年です。家を建てる時に使う木が伐採されても、その時にしっかりと植樹されていれば循環できる素材です。次世代の木材が育つまで、人の工夫とメンテナンスで、少なくとも樹齢以上は持たせてあげたいですね。