カール ブッセ
12月4日土曜日 くもり ―1℃~6℃
山のあなたの空遠く「さいはひ」住むと人のいふ。
ああ、われひとととめゆきて、涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く「さいはひ」住むと人のいふ。
この詩を読んで何を思い出しますか?
そう!三遊亭歌奴の「授業中」。
「さ、みんな国語の本サおっぴろげて、本サ、おっぴろげろ。このヤロ、窓サ何でおっぴろげる。六十七ペーズ、おめえ立って読んでみろ」
「山のあなたの空遠く、幸い住むと人の言う。ああわれ人ととめゆきて、涙さしぐみ帰りきぬ。山のあなたの空遠く、幸い住むと人の言う」
「よぐ読みた。その隣」
「ヤヤ、ヤマヤマヤマ、ヤ、山のアナ、山のアナアナアナアナ」
「狸だね。なんで穴ばっかり探すんだ」
「先生、そいつはダメ。吃音です」
「いいからその先サやれ」
「アナアナ、アナアナ、あなた、あなた、もう寝ましょうよ」
「寝ましょうよだけ、なんでスッと出るんだこのヤロ」
と 一世を風靡した歌奴の授業中の一場面がこの詩の朗読。
もともとこの詩はドイツの詩人 カールブッセ作であったのを上田敏の訳で日本に紹介 落語にまで登場するようになったわけ。
三遊亭圓歌が落語協会会長まで出世したのはカールブッセのお陰だと馬風師匠。
きょうは圓歌さんを会長まで押し上げたカールブッセの命日。
いまでは圓歌さんがカールブッセの前で授業中を演じているかもしれません。