やまゆり
8月8日 日曜日 はれ 24℃~32℃
唄の好きな若者が毎日山で草刈りをしながらいい声で歌をうたっていた。
刈った草を背負い籠に詰め込んで馬に食べさせるのが日課だったそうな。
ある晩、道に迷ったらしい娘さんが若者の家を訪ね泊めてくれるよう頼んだ。
若者は泊めてやるにも食べ物も夜具も無いと断った。(もったいないじゃありませんか、わたしの若い頃なら・・・)
娘さんは何もいらない、軒先でいいからと頼んで泊まることになったそうな。
結局 そのまま居ついてしまった。(こういうのを押しかけ女房って言うんじゃなかったっけ)
ある日、若者が馬小屋で馬に草をやっていると、草の中からきれいなヤマユリの花が1本出てきた。
娘にその花を見せようと家に入ると娘は倒れていたんだそうな。
息絶え絶えの娘が言うに「私はヤマユリの花。あなたが毎日山で草刈りをしながら歌っているのを聞いて、あなたと一緒に暮らしたいと思っていた。
その思いがかなって今まで一緒に暮らしていたが、今日あなたに刈られてしまったので私はもう死んでしまうといいながらヤマユリの花は萎れて枯れてしまったという。
新潟県の民話でございます。