愛酒の日
8月24日 水曜日 くもり
白玉の 歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり。
足音を忍ばせて行けば台所に わが酒の壜は立ちて待ちをる。
たぽたぽと 樽に満ちたる酒は鳴る さびしき心うちつれて鳴る。
妻が眼を 盗みて飲める酒なれば 惶て飲み噎せ鼻ゆこぼしつ。
かんがへて飲み始めたる一合の二合の酒の夏のゆふぐれ 。
うらかなし はしためにさへ気をおきて 盗み飲む酒とわがなりにけり 。
ものいはぬ 我にすすむるうす色の昼のひや酒 妻もかたらず 。
くちにふくめば 疑ひもなきこのうまさ やめられぬ酒の悲しかりけり 。
朝一合、昼二合、夜六合、合わせて一升(ちょっと計算が変)を毎日飲んだと言う若山牧水。
今日は若山牧水の誕生日に因んだ「愛酒の日」。
これだけ毎日飲めば体も壊れます・・・・肝硬変で43歳の生涯を閉じたということです。