2017年5月10日

めでたいお魚は?

Filed under: 未分類 — 土倉製材所 @ 5:16 PM

5月10日  夕刻までくもり 夜半雨

江戸時代、殿さまの食事に必ず付いた焼き魚が「きす」。
魚偏に喜ぶで縁起がよいとされたようです。
そうは言っても毎回「鱚」では飽きてしまう、そこで朔日、十五日、二十八日は「鯛」がお膳に載ったようです。

落語のマクラでは 殿様は毎日々々鯛の尾頭付きが食膳に、その鯛も蒸して油を抜いたパサパサな鯛、美味くもなんでもない。
お膳の飾り程度で箸をつけたこともなかった。 

ある日はどういうわけか、二箸三箸お付けになりますと、 「美味である。代わりを持て」
代わりを持てと言いましてもね、普段は一箸しか付けないんですから代わりなど焼いておりません。
「いかがいたした?代わりを持て」
「ははー」
仕方がないんで三太夫さん、とっさの機転というやつで、
「殿に申し上げます」
「なんじゃ」
「庭の泉水が脇に植えましたる桜、満開の折には見事であろうと臣等(シンラ)一同心待ちにしております」
「ほう、左様か」
ってんで、お殿様が桜を見ている隙に三太夫さん、鯛の頭と尻尾を持ってくるっと裏返しました。
「持参いたしましてございます」
「おう、来ておったか」
ってんで、二箸三箸付けまして、
「美味である。代わりを持て」
今度は困りました。裏返すってぇと元の粗が出ちゃうんですから。
さすがに三太夫さん、まごまごしておりますと、
「三太夫、いかがいたした?代わりはまだか?ならば、余がもう一度桜を見ようか」

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今晩は飽きるほど鯛の刺身が食べられそうです。

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