女神湖
むかしむかしのそのまたむかし、人間が地上にうまれたころの話です。
ひとりの原始人が石斧で木を切り倒していました。 大きな木でしたから何べんも何べんも石斧で傷つけなければなりません。
石斧を振り下ろした手が汗ですべって石斧は湖まで飛んで沈んでしまいました。 原始人はやっと作った石斧を失くしてしまい おおいに嘆きました。
すると、湖の中から女神様が現れ何を悲しんでいるのか訊ねました。 原始人は石斧が湖に沈んでしまったことを話しました。
女神様は湖にもぐって きれいに研いだ磨製石器を拾い上げて 「あなたの失くした斧はこれですか?」と尋ねました。
「うんにゃ、おらんのはこんなきれーなんじゃねえ!」と原始人は答えました。それではこれですか?と見せてくれたのが汗と土で真っ黒に汚れた 失くした打製石器の石斧でした。
「そ、それがおらんのだ。」 原始人は答えました。
女神様はやさしく言いました。「あなたはなんという正直な方でしょう、 ご褒美にこれをあげましょう。」 とチェーンソーを一台 原始人に手渡して湖に帰っていきました。
原始人はチェンソーを木に打ち下ろしましたがまったく役に立ちません、仕方ないので以前と同じに石斧を振り上げては木を切倒したそうです。 ガソリンが発明されるずーっと前のお話です。
石斧を拾い上げてくれた女神様が住む蓼科高原 女神湖
TrackBack URI : http://www.cookiehouse.jp/blog/wp-trackback.php?p=3194
Comments (0)